自らは匿名のまま、他者を誹謗中傷することが容易な時代。
匿名を問題視する流れもあるけれど、私は否定しない立場。
人間とは、インターネットとは、そういうもの。
法的にも、技術的にも、封じるのは難しいはず。
あったんだよね、昔から。
無言電話とか手紙とかね。
筆跡で特定されぬよう、新聞から一文字ずつ切って貼って文章を作り、遠く離れた街のポストに投函して、鉄壁の匿名には手間が必要だった。ワープロやマイコンの登場は、労力をかなり軽減させたのではないだろうか。
匿名に隠れるという点ではメディアも似たようなもの。
記事に落ち度があり苦情を申し立てたところで、書いた本人は会社に守られ、取材源も秘され、名前が世間に出回ることはない。主観で二次情報を発信する点でも、メディアとインターネットの書き込みは変わらない。
匿名で物申すことも、表現の自由の一部だろうと思う。
ただ、私はしない。なんだか恰好が悪い気がするから。
名乗らずに切り付けて来る奴は卑怯者。それは昔から変わらない。
背後からしか物申せない弱虫の言葉など、およそ無視で構わない。