私達は全員、食いしん坊の末裔だ。
飢えて死ぬことが大半、それが人類の歴史。残りは、毒の誤食か、怪我や感染症、動物に喰われるか、誰かに殺されるか。
戦闘力に長けていたり、群れで特殊な能力を認められたり、盗むことが得意だったり、色仕掛けだったり。手段はともかく、食い扶持を掴み取り続けた強者の遺伝子だけが伝承されて現代人が存在する。例外は無い。
そんな私達は現代、食べ物が溢れる世界で生きている。
人類史上、無かった世界であり、容易に適応できない。
そこに食べ物があれば食べる。
満腹になるまで、食べ続ける。
遺伝子に刻まれた本能なのでしょうがない。
しかし、それにより人々の死因が変わった。
餓死は無くなり生活習慣病が台頭。
食源病と言い換えても良いだろう。
食べ物を目にするだけで、脳内で食べるように仕向けるホルモンが分泌される。
その仕組みのおかげで、今の私たちがいる。
抗う方法がないものか、考えてみた。
別の仕組みを発動させるのはどうか。
私達は妙な色や柄のキノコを避ける。
人類がたくさん犠牲を払った結果だ。
ケーキを見ても、ラーメンを見ても、ピザを見ても、ハンバーガーを見ても、大盛を見ても、毒だと思い込む。毒から逃げる。これしか無いのではないだろうか。
半分、冗談。
半分、本気。
皆様、ご自愛を。